映画からくち批評

映画、俳優の批評、感想なそ
2005年03月03日(Thu)▲ページの先頭へ
パルプ・フィクション

トラボルタの卑猥な目つきが嫌いだった。サミュエルLジャクソンの垢抜けないところが好きになれなかった。ハーベイ・カイテルの不器用さだけを売りにしたキャリアに物足りなさを感じていた。クリストファー・ウォーケンのお高く止まった感じが鼻についていた・・・。この映画を見て、彼らが大好きになった!とにかく、登場人物が生き生きしている。それぞれのエピソードを時系列に並べず、おそらく順序は最後だと思われる、人々の結末が見える部分を話の真ん中に織り込み、ロール状に組みたてたことが功を奏して、登場人物がいつまでたっても死なない、永遠のものとして存在しているかのような状況を醸し出している。映画を心に残るものにするために、ハッピーエンドの後を自由に想像させる映画はよく見るが、内側に未来が練りこまれて、しかも終わっていない映画というのは珍しい。たとえば12モンキーズなどは、輪廻ではあっても、始まりと結末が見えているので、その中で話は完結してしまう。この映画は本で言うならば、新たなエピソードを、新たな「折」としてボンボンと放り込んでいける可能性を秘めている。多分これからも繰り返し、好きなシーンをパラパラとめくって見ていくことだろう。その辺にポイと置かれた三文小説のように。余談だが、スティーブ・ブシェミが出演していると聞いていたので、どこに出ているのかと見ていたが気がつかず、最後のクレジットでやっと分かった(笑)

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジョン・トラボルタ、ブルース・ウイリス、ユマ・サーマン


「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」コレクターズ・ボックス 合計2858円(税別)...

2005年02月05日(Sat)▲ページの先頭へ
アパートの鍵貸します

 ビリーワイルダーの真骨頂。彼の作風や展開は、後の多くの映画監督に影響を与え、中でも三谷幸喜のフリークぶりは有名ですが、昨今流行りの「軽〜い」「朴訥とした」ストーリー展開は無意識的にビリーワイルダーを源流とするものと思われます。
 作品中で、「恋はなりゆき」と言っていますが、それ自体を見事に表現していると思いました。特別衝撃を受けるような出会いでもなく、ときめくような描写があるわけでもない。ただいつのまにか事件が重なるにつれて、引き寄せられている、というよりも、そこにお互いが立っているという感じ。自分の居場所を神に導かれているような・・・。観客としても主人公と同じようにひきつけられていきます。設定が荒唐無稽であっても、こういった人間の感情の動きや時間と空間の流れにリアリティーがあるからこそ、この映画は名作として語り継がれているものと思います。まさに神業でしょう。

監督 ビリー・ワイルダー
出演 ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン


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大いなる幻影

映画では、男女や友人同士といった人間社会の「感情」を描いたり、自然風景の美しさを描いたりすることはあるが、人間の生き方そのものを「美」として表現しているこの映画はなかなか稀有である。それが少しも浮き上がることなく、色あせた収容所の壁の中で、まさに窓際に咲く一輪の花のように、鮮やかに映えている点は素晴らしい。「貴族社会」というと、「世間知らず」「脱世」というようなイメージが先行してしまうが、そういうところゆえに生ずる美しさ、というものを感じることができた。歴史の授業では、貴族文化は権威を誇示するものという面を強調されて教わってきたが、そんな一面で捉えられるものではなく、世俗を超越した、気品あふれる「花」のような美的感性を無視することはできないと感じた。対照的にジャン・ギャバンの演技は実に世俗的で、この対比がまた人間模様をかもし出していて、実に楽しい。

1937年
監督 ジャン・ルノワール
出演 ジャン・ギャバン

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